着物には物語があります

着物には、物語があります。

令和8年のはじまりに、一通のメールが届きました。

枚方市のふるさと納税の返礼品として出している

「着物リメイクワンピースのオーダーチケット」へのお申し込みでした。

ご連絡をくださったのは

横浜にお住まいの、枚方出身の女性。

お祖母様の形見のお着物を

ワンピースに仕立てたいとのことでした。

拝見したお着物は、緑系の落ち着いた色合い。

いわゆる“着物らしい柄”というより、今の洋服にも自然に馴染みそうな雰囲気でした。

「これならワンピースにしたら、今でも素敵に着られると思って。」

そう感じて、大切に残しておられたそうです。

そしてワンピースが完成しました。

さらに不思議なご縁がありました。

なんとご実家が私の家のすぐ近く。

帰省されるタイミングで

直接お渡しすることになったのです。

その時に伺ったお話に、思わず胸が熱くなりました。

その着物は

お母様のお祖母様の着物だったのだそうです。

遠い時代に

一人の女性が大切に纏っていた着物。

それが時を越え、今は玄孫の世代へ。

そして新しい形のワンピースとして

また袖を通すことになるのです。

外資系企業にお勤めの彼女は

笑顔でこう言ってくださいました。

「明日、東京で一年に一度のパーティーがあるので

このワンピースを着て行きます。」

そして、こんな言葉も。

「海外のパーティーでも

着物で作ったドレスで出られたら素敵ですよね。」

遠い時代に生きた女性が纏っていた着物が

時を経て

今、世界を舞台に働く女性に受け継がれ

新しい物語の中で纏われていく。

そんな瞬間に立ち会わせていただけること。

着物の物語を

次の世代へつなぐお手伝いができること。

この仕事をしていて

本当によかったと感じる瞬間です。

着物には、物語があります。

そしてその続きを

いまを生きる誰かが、また紡いでいくのだと思います。